宅配クリーニングのリナビスブログ

クリーニング

バッグ・鞄クリーニング体験記「ビフォー・アフターわたしのバッグがキレイになるまで」

リナビスのバッグ・鞄クリーニングブログ

目次

わたしのバッグ、こんなに汚れてた?

ふとバッグを手に取ったとき、「あれ、こんなに汚れてたっけ?」と驚いたこと、ありませんか?お気に入りでずっと使っているバッグは、気がつかないうちに小さな汚れやシミが増え、色がくすんでしまうものです。毎日一緒におでかけして、たくさんの思い出を刻んできたからこその大事なバッグですが、自分でお手入れするのはちょっと不安……。

そこで今回、リナビスのスタッフEが「バッグクリーニング」に挑戦してみることにしました!
職人さんの手で、一体どのように汚れが落ちていくのか、そしてバッグがどんな風に甦っていくのか――
普段は見ることのできない、その過程をじっくりご紹介します。
プロの手が生み出す魔法のような技に触れるたびに、「ワクワク」「驚き」がたくさんありました。

今回は、そんな「わたしのバッグがキレイになるまで」をご紹介します。
それでは、クリーニングの旅はじまりです。

バッグの状態チェック!四つ角のスレや革のキズ、気になる汚れの原因は?

今回クリーニングをお願いするのは、長年愛用してきたレザーバッグ。使うたびに手に馴染み、すっかり私の相棒になっているこのバッグですが、最近少し気になる部分が増えてきました。
バッグの全体を細かくチェックしてみると、「クリーニング・お手入れが必要な箇所」がいくつかありましたので紹介します。

気になるポイント1:四つ角のスレ

バッグの四つ角は、使っているうちにとくに傷みやすい部分です。
特に地面に置いたときや、椅子の背もたれに掛けたときなど、思わぬ場所で擦れてしまい、革の表面が削れて色が薄くなっているのが見えます。「あれ?こんなに擦り減ってた?」と気づいた瞬間は、少しショックです。

気になるポイント2:革の細かなキズやシミ、割れ

使い込むほど味わいが増すレザーですが、その分、思いがけず爪や金具、鍵などが擦れてできた細かな傷がありました。
雨の日やうっかり飲み物がこぼれたときにできた水シミも、バッグの表面に残ってしまっています。
バッグの汚れは、そのまま放置するとシミになって定着してしまうことも・・・恐ろしいです。

汚れやすいポイント3:ハンドル部分の黒ずみ

バッグの持ち手は、毎日使うからこそ一番目立つ手垢汚れや汗による黒ずみが溜まりやすい場所です。革の持ち手の場合、汚れが染み込むとなかなか拭き取れず、ベタついたりくすんだりすることも……。黒くくすんでしまったバッグの持ち手は、清潔感が欠けて見えてしまいます。

汚れやすいポイント4:内側の汚れやにおい

外側だけでなく、バッグの内側も忘れてはいけません!レシートやハンカチ、化粧ポーチなど、毎日いろんなものを入れているうちに埃や化粧品の粉が溜まってしまうことがよくあります。
そういえば、昔バッグの中で「水筒のお茶」をこぼしてしまったのを思い出しました……。

汚れの原因は「日常のクセ」かも?

改めて見てみると、バッグの汚れは普段の使い方やクセが原因になっていることがわかります。

・バッグをそのまま地面に置いてしまう
・雨の日に濡れてしまっても、気にせず使い続ける
・汚れた手のままバッグを触る
…など、小さな習慣の積み重ねで、バッグは少しずつダメージを受けてしまうそうです。

その他のよくある汚れ

この他にも、よくある汚れの原因について経験豊富なバッグクリーニングの職人さんに教えていただきました。

バッグ生地のカビ(キャンバス地)

バッグのカビの原因に「バッグの汚れ」があるそうです。
カビは、栄養分と酸素・温度・湿度が強く関わっているのですが、「バッグの汚れ」がカビの成長を助ける栄養分の役割をするので、しっかり取り除いてあげないといけないそうです。

職人さん

バッグ生地のカビ(革)


レザーバッグや靴にカビが発生してしまうことが多いのは、「レザーの素材自体」が栄養分になることも理由のひとつ、だそうです。
ビニール製や合皮のバッグより、革のバッグにカビができやいのはこういった理由から。

職人さん

接着剤(ノリ)の染み出し


ファスナー周りの接着剤の染み出しは、バッグの汚れの中でもよくある汚れのひとつです。
保管状態によって、ファスナー部分の接着剤がシミ出して、ファスナー周りに黒いベタベタした汚れがついてしまうことがあるそうです。

職人さん

加水分解


ナイロン布のバッグが使っているうちにベタベタしてきたことはありませんか。これは、素材が水分と化学反応して起こってしまう現象だそうです。
海外製など「梅雨がない国」で作られたバッグは、日本の多湿環境に弱いため、値段に限らずハイブランドのバッグでも起こる現象だそうです。

バッグの工場に潜入!

汚れの種類や原因を教えていただいた後は、早速クリーニング工場に。

クリーニング前の確認

汚れの種類や原因について、教えていただいたら早速工場内に。バッグがクリーニング工場に到着すると、人の手と目で丁寧に状態をチェックしてくださっていました。

クリーニング前に「壊れている部分」「ほつれている部分」がないか、隅々まで確認します。
クリーニングに出す前には「バッグのポケットの中に忘れ物がないか」しっかりチェックしようと思いました。

洗いの工程

細かい汚れ、表面の汚れを優しく落とす

バッグの奥底やポケットを職人さんの目で細かくチェックしていきます。
バッグを使っているうちに、細かいゴミのようなものが結構たまっていたので、角度を変えたり、いろんな方向からエアーをふきかけて飛ばしていきます。
くるっと裏返して中面もすべて丁寧に。 ゴミをとりながら、バッグの状態を細かく確認されているように見えました。
(途中、細かいゴミがたくさん出てきたので、バッグの持ち主としては少し恥ずかしい気持ちでした)

専用溶剤で汚れを除去

次は、バッグの素材に合わせた専用溶剤を使って、革の内部に入り込んだ汚れやシミを浮かび上がらせてふき取っていきます。雨染みや飲み物のこぼれ跡は放っておくと革に深く浸透してしまうため、この作業は欠かせません。

職人さん

見ていると、あまりに優しい手つきなので「これで本当に汚れが落ちるのかな?」と最初は思いましたが、仕上がった箇所を見ると、気になっていた汚れが薄くなり、艶が戻っていきました。やはりプロの技はすごいです!

内側部分のクリーニング

いくつかの専用の薬剤を組みあわせ、その場で調合していく職人さん。
バッグの素材や「汚れ」の性質を目で見て手で触れながら、わたしのバッグのためだけに「世界でひとつの洗浄液」ができました。

大きな筆でサササ-と軽快に塗っているように見えますが、後から教えていただいたお話しによると、繊維の縫い目も意識しながら塗られているとのこと。

しばらくすると、大きな筆から、細い筆に持ち替えた職人さん。
汚れの度合いによって、いくつもの道具を使い分けされていました。
0.01ミリ単位の丁寧なお仕事は、人の手でひとつひとつ作業するからできること。

職人さん

よくあるボールペン汚れ以外に、女性用バッグの場合は化粧品汚れが多いようです。
日が経ってしまうと落としにくくなるため、汚れた時は早めに対応(クリーニング)するのがおすすめだそうです。

革裏面の面をけずる

私のバッグのように異なる素材を使ったバッグの場合、革は濡らさないように、かつキャンバスは洗浄剤で汚れを落とす必要があるそうです。

内部のキャンバス部分の汚れを落としたあとは、革部分のお手入れです。

シャカシャカッと軽快な音をたてて、革の表面を優しくけずりとっていく職人さん。
革の表面の細かい細かい「毛をたたせる」効果もあるそうです。
削りすぎると毛羽立ちがひどくなることもあるので、バッグのクリーニングは年に1回くらい。メンテナンスする位の頻度がおすすめとのこと。

バッグクリーニングの工程は、すべて職人さんが手作業で作業されています。
汚れの状態によっては、このクリーニング作業に数日かかることもあるそうです。

職人さん

表面についている汚れと、余計な油分を除去が終わったら、いよいよ色掛けの工程です。

色掛けの工程

下地処理・細やかな保護

洗浄が終わったあとは、バッグの素材によって数日間あけ(乾燥させ)てから色掛けの工程へすすみます。
革は生き物の皮膚と同じように、乾燥するとひび割れや硬化が進んでしまうため、時間短縮の為のドライヤーや乾燥機は使わず時間をかけて自然乾燥させているそうです。
乾燥が終わったら、最初に表面に「バインダー」と呼ばれる特殊な薬剤を施工します。
これは、塗料を剝がれにくくする接着剤のような役割をしています。

塗料を塗りたくない部分は丁寧にひとつひとつ保護をしてくれています。
作業場の横にあった細い黒テープが気になったので、職人さんに質問してみました。

職人さん

こんなに細い保護テープがあることを、初めて知り驚きました。

経験をもとに染料の調合

色掛けのベースとなる染料は驚くことに全部で6色!
その6色から職人さんが「バッグ専用の色」を調合してくれています。
今回、わたしのバッグは茶色だったので「黒、白、黄色、オレンジ」の4色の染料を元に、職人さんが目で見て少しずつ調整しながら、染料を調合してくれていました。

職人さん

いよいよ色掛け工程へ

いよいよ色掛けです。汚れやスレで色が剥げた部分を、元の状態に近づけるために染料を使って補修していきます。この工程は、単なる色塗りではなく、職人さんの「色彩感覚」と「積み重ねてきた経験」の部分がとても大きいそうです。

2色以上塗分けがあるバッグの場合は、細かく何度も塗分けをしてくださっていました。はみ出さないように少しずつ丁寧に作業する職人さん。
見ている私も、細やかな作業に見入ってしまいました。

色掛けが終わるとさらにコーティング剤で、仕上げます。
自然なツヤがでて高級感が増したような気がします。

コーティング後はまるで新品のよう

色掛け工程が終わると、いよいよクリーニング完了です。
くたびれて疲れた印象だった私のバッグは、新品のようにきれいに。
なんだか、バッグが喜んでいるように見えました。
写真だと伝わりにくいのですが、触った時の質感や感触が良くなったことに驚きました。クリーニングすることで、見た目の綺麗さだけでなく手触りまで変わる、ということは実際に体験するまで知りませんでした。

仕上がったバッグは大切に梱包

優しく梱包されて、バッグが嬉しそう

クリーニングしてきれいになったバッグは、お届け途中に型崩れしないように丁寧に梱包され、持ち主の元へ。
バッグ本来の形を崩さないように、細かいパーツを扱う時にも優しく扱われていたのが印象的でした。

クリーニング後のバッグがこちら

傷だらけだったバッグの手触りが変わり、新品みたいに

いよいよ完成です。気になっていた箇所のビフォーアフターを写真と一緒にご紹介します。

今回一番嬉しかったことは、長年気になっていたバッグ表面の擦れや傷がどこにあったかわからないくらい、キレイになったこと。車のボディ傷も同じですが、表面の色が剥がれてしまった時は、市販のクリーㇺでごまかしたりせずプロに任せるのが一番だなと実感しました。
クリーニング前は「ゴワゴワ」していたバッグの手触りが「しっとり」心地よく変化したことも驚きました。

革の細かなキズが消えてツヤがでた

細かい傷が消えたことでバッグ全体にツヤがでたように感じます。全体的にくすんでしまっていた印象がパッと明るく清潔感のある印象に変わりました。

ハンドル部分がキレイになると印象が変わる

使い続けるうちに、手の汗や汚れによって黒ずんでしまった持ち手も新品のようにキレイになりました。油分の多いハンドクリームや、汗や皮脂汚れに注意したいです。
汚れがついてしまったら早めにふき取って、これからもキレイな状態で使い続けていきたいと思いました。

内側の汚れは、まるで最初から無かったかのようにキレイ


内側の汚れは、まるで最初から無かったかのようにキレイに。

まったく気にしていなかった「バッグ内側」のキャンバス部分も、真っ白。こぼしてしまった飲み物の汚れや、化粧品汚れなど「汚れの原因」にあわせてクリーニングの方法を細かく調整してくださった職人さん。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

キレイになったバッグが嬉しそう

大切にしていたバッグが生き返ったかのよう

小さな傷やバッグ内側汚れなど、私が気にしていなかった部分の汚れまでキレイになりびっくりしました。
10年以上愛用しているバッグでしたが、見た目だけでなく、手触りや質感が良くなったことにも驚きました。
ひとつひとつの丁寧な手作業で、生まれ変わった大切なバッグを長く使い続けていけるよう自宅での保管場所やお手入れにも興味がでてきました。
これからも、このバッグを大切に使い続けていきたいと思いました。
職人のみなさま、本当にありがとうございました!

バッグクリーニング職人さんからのアドバイス

気になったらなるべく早めにお手入れがおすすめ

お気に入りのバッグほど、使用頻度も高くなり、その分汚れてしまう機会が多くなります。
ご自宅で使える市販のレザークリームなどもありますが、バッグの素材とクリームの相性など、わからないまま、とりあえずクリームを塗って失敗してしまったというお話を聞くこともあります。
自己流でお手入れするのではなく、汚れが気になったら早めにプロにご相談いただくことがおすすめです。

リナビスでは、検品時にご要望に対してのお返事もおこなっています。
気になる個所やシミなどありましたらご依頼時にご記入ください。また、事前にご不明点やご相談がございましたら、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

リナビスのバッグ・鞄クリーニングコース
リナビスのバッグ・鞄クリーニングコース