衣類のタグに記載されている「洗濯表示」について正しく理解できていますか? 洗濯表示の知識がなければ、誤った洗濯方法によって縮みや色落ちなどのトラブルにつながります。
日本では2016年から国際規格に合わせ、洗濯表示が世界共通の記号に変わっています。この記事では、新たな洗濯表示についてまとめてご紹介していきます。
目次
1 2016年から洗濯表示は世界共通に
日本では以前、日本独自の洗濯表示が使われていました。詳しくは日本工業規格(JIS L 0217)の下、22種類となっていました。しかし、近年は海外からの衣類の輸入や海外旅行先で衣類を購入する機会も増えており、日本でも国際規格に合わせた洗濯表示を導入することで、取扱いをわかりやすくすることが求められていました。国際規格(ISO 3758)に従い44種類となっています。
こうしたことから、家庭用品品質表示法に基づく「繊維製品品質表記規程」が改正され、2016年12月から新しい洗濯表示として「5つの基本記号」と「付加記号と数字」が導入されました。
2 「5つの基本記号」について
基本記号は以下の5種類です。「家庭洗濯」「漂白」「乾燥」「アイロン」「クリーニング」をそれぞれ示しています。
出典:消費者庁「家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程の改正について」
この基本記号に「付加記号」や「数字」が付記されることで、より細かな情報が示される形となります。付加記号によって洗濯機やアイロンなどをどれくらい強く利用できるかわかります。また数字によって洗濯液の上限温度を知る事ができます。
以下、国が公式に公表している資料から、各基本記号における表記例を紹介していきます。
2.1 家庭洗濯
出典:経済産業省「平成28年12月1日からの衣類の新しい『取り扱い表示』で上手な洗濯!」
この表示は家庭洗濯に関する基本記号です。バツ(×)がついていなければ、家庭洗濯(洗濯機洗い・手洗い)が可能です。
記号の中に記載されている「30」や「40」といった数字は、洗濯液の上限温度です。記号の下に線(—)がついている場合は、線の数の多いほど洗い方を弱くすることを示しています。
手のマークがついている場合は、「手洗い」(押し洗い・振り洗い・つかみ洗いなど)が必要な衣類であることを示しています。ちなみに手洗いの場合、洗濯液の上限温度は40度と指定されています。
2.2 漂白
出典:経済産業省「平成28年12月1日からの衣類の新しい『取り扱い表示』で上手な洗濯!」
この三角形の表示は漂白に関する基本記号です。三角形の中が空白の場合は、塩素系漂白剤や酸素系漂白剤を使用できます。
一方、三角形の中に斜線が2本引かれているマークもあります。これは酸素系漂白剤のみが使えるということを示しています。こうした衣類に塩素系漂白剤を使うと、色落ちしてしまったり、ポリウレタンを含んだ衣類が伸びきってしまったりと、トラブルにつながります。
三角形に重なるようにバツ(×)がついている場合は、いずれの漂白剤も使えません。
2.3 乾燥
出典:経済産業省「平成28年12月1日からの衣類の新しい『取り扱い表示』で上手な洗濯!」
乾燥に関する表示は、ドラム式洗濯乾燥機などによる「タンブル乾燥」と「自然乾燥」に分かれます。
タンブル乾燥は四角(□)の中に丸(◯)が入ったマークで、バツ(×)がついていなければタンブル乾燥が可能です。丸の中に記載されている点はヒーターの強さを表しており、点が1つならヒーターを「弱」などに、点が2つならヒーターを「強」などに設定します。
自然乾燥に関しては、四角(□)の中に縦線(|)や横線(—)、斜線(/)が引かれることで表示されます。縦線は「つり干し」、横線は「平干し」を示し、線が1本の場合は脱水後に干す、線が2本の場合は脱水しないで干す、ということを示しています。斜線は陰干しの表示です。
2.4 アイロン
出典:経済産業省「平成28年12月1日からの衣類の新しい『取り扱い表示』で上手な洗濯!」
続いてアイロン仕上げに関する表示です。バツ(×)がついていなければアイロンをかけることが可能で、アイロン記号の中についている点(・)で底面温度の上限が表現されています。
点が3つの場合は高温(200度まで)、点が2つの場合は中温(150度まで)、点が1つの場合は低温(110度まで)という形になります。
2.5 クリーニング
出典:経済産業省「平成28年12月1日からの衣類の新しい『取り扱い表示』で上手な洗濯!」
基本記号の最後は、クリーニング店向けのクリーニングに関する記号です。
丸(◯)の中に「P」「F」「W」のアルファベットが記載されており、「P」はパークロロエチレンなどの溶剤を使ったドライクリーニングが可、「F」は石油系溶剤によるドライクリーニングが可という意味です。「W」はウェットクリーニングが可能という表示です。
アルファベットが何も記載されていない丸にバツ(×)がついている場合は、ドライクリーニングができないことを示しており、丸の中に「W」が記載された記号にバツがついている場合は、ウェットクリーニングができないことを示しています。
また記号の下部に横線(—)が入っていることがありますが、線が多いほどより弱く処理することが求められます。
3 なくなった洗濯表示
国際規格に準拠した新たな洗濯表示が導入されたことで、従来の日本の洗濯表示にみられた「手洗イ」「平」「高」「ドライ」などの日本語表記がなくなりました。また、基本記号の形も以下のとおり変更されています。
出典:消費者庁「家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程の改正について」
4 クリーニングに出すべき衣類の見分け方
最後に、クリーニングに出すべき衣類の見分け方を紹介します。家庭洗濯マークにバツ(×)がついている場合は家庭洗濯ができないことを示しているため、このマークがある衣服はクリーニングに出すべきです。
特に絹(シルク)や毛皮、皮革製品などの素材は、クリーニングに出すことをおすすめします。
高級ブランドの衣類なども、家庭洗濯で失敗したくなければ、多少費用がかかってもクリーニングに出すのが得策です。
まずは新しい洗濯表示をしっかりと理解し、洗濯・クリーニングに関するトラブルはできるだけ避けるように努めましょう。
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