「合成皮革」と「人工皮革」の違いって皆様ご存知ですか?
かく言う私も、皮革メンテナンスの仕事に携わらせていただくまで知らず、実は同じものだと思っていました。
今回は「合成皮革」と「人工皮革」の違いと特徴についてお話いたします。
「合成皮革」ってなに!?
皮革のベースとなる布にナイロンやポリエステル生地などを使い、その上からポリウレタンなどの樹脂層をコーティングしたものが合成皮革です。
ベースとなる布には編み物や織物をベースとしたものが多いため、耐水性はあまりありませんが、フィット感があり、人工皮革よりもグリップ力に優れています。表面のシワは、本革に似せるために人為的に作り出したものです。
人工皮革より安価なため大量生産にも使用しやすいのが特徴です。
しかし、やはり本革や「人工皮革」と比べると安っぽさやビニールっぽさが目立ってしまうため、高級感を出したい場合などには不向きと言えるでしょう。
「人工皮革」ってなに!?
皮革のベースとなる布に合成樹脂を染み込ませて加工します。その後、上からさらに別の合成樹脂を塗ることで本革に似せて加工していきます。
メリットとしてはモノによってはほとんど本革と見分けがつかないほど完成度が高いのが特徴です。ベースとなる布はポリウレタンを使っていることが多く、また上から塗る合成樹脂にはポリウレタンやポリ塩化ビニールがよく使用されるため、耐水性に優れているもの使い勝手が良いポイントでしょう。そのため靴や衣服などに多く使われることが多いです。
しかし、一方でデメリットとして、合成皮革よりも価格が高くなってしまいます。
「合成皮革」と「人工皮革」の問題点
「合成皮革」、「人工皮革」のどちらとも、皮革のベースとなる素材の上からポリウレタン樹脂や「ポリウレタン・コーティング」という本革に似せる加工を施します。
ここで使用される「ポリウレタン」という素材は、空気中の水分や熱、紫外線、あるいは手の皮脂などが付着することで少しずつ表面が分解されてしまい「加水分解」が発生します。
できるだけ長持ちさせたい場合には定期的なホコリ落としやぬるま湯を含ませ固く絞ったタオルで全体を拭くなど、お手入れを丁寧にすることで多少はキレイに保つことが可能ですが、やはり本革と比べるとどうしても経年劣化を防ぐことが難しく、使用しているうちに表面が剥がれてしまったり、ペタペタとくっついてしまったりした時点で「寿命」「買い替え時」ということになります。
最後に
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