ウールの着心地やお手入れの方法は?洗濯はできる?
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ウールは、セーターやコートなど身近な衣類に使用されている生地です。
今回は、そんなウールについて情報をまとめました!
普段から愛用している人は、大切に着るためにも知っておきましょう。
記事の目次
ウールってどんな素材?何でできてる?
まずはウールの基本情報から紹介します。
ウールとは?
ウールは、羊から採れる毛のことをいいます。
冬は暖かく、夏は涼しいという特徴を持っており、吸湿性にも優れているため冬物の衣類によく使用されます。
ウールといっても、羊の種類によって毛質が異なり、メリノ種という羊から採れたメリノウールはウールの中でも最高級とされています。
ウールのセーターが苦手という人の多くは「チクチクする」という理由からですが、ウールがすべて肌触りが悪いというのは間違いです。
肌触りは繊維の太さと関係していて、繊維の太さが太いとチクチクと感じるようになります。
繊維の細いウールは、チクチクしにくいですが、その分値段も高くなります!
同じウールでも値段が違うのには、こういった理由があります。
ウールの用途
コート | セーター |
出典: BAYCREW’S |
出典:楽天 |
ウールは、コート、ニット、セーター、マフラー、手袋などの冬物に使用されています。
ウール素材の製品は保温効果が高いことや、汚れにくいことから魅力を感じている人も多いのですが、安価なものは特有のチクチク感や手ざわりの悪さがあるので注意が必要です。
質の高いウール製品が欲しい場合には、少し値段の高いものを購入することを考えるといいかもしれません。
ウールのメリット
- 保温性
- 伸縮性
- 撥水性があり汚れにくい
- 夏でも涼しい
- 型崩れしにくい
ウールは、保温性の高さと伸縮性の高さが魅力です。
冬は中に着込むことも多く、着膨れしてしまいがちですが、それでも伸縮性が高いので着ることができます!
また、空気をたくさん含みやすい素材なので、冬でも暖かいというメリットがあり、撥水性が高く、雨や雪などで少し濡れてしまっても弾いてくれるので、汚れが付きにくいという特長も。
寒い冬には最適な素材だと言えるでしょう。
ウールのデメリット
- 毛玉ができやすい
- 縮んだりフェルト状になる
- 虫食いが発生する
ウールの表面はうろこ状になっているので、繊維同士が絡みやすくなっています。
そのため、ウールの衣類は毛玉ができやすいというデメリットがあります。
撥水性はあるのですが、水には弱く、水に濡れたまま揉み洗いなどをすると、フェルトのように固まってしまうことも。
さらに、ウールは虫食いが発生しやすく、湿気や汚れをつけたまま長期間保存していると、虫食いができる原因になります。
お手入れの方法と保管方法には注意しましょう。
ウールはクリーニングしないとダメ?家で洗濯できる?
ウール製品に中には、自宅で洗濯可能なものもあります。
洗う前には、必ず洗濯表示を確認して、水洗いができるか、手洗いができるかを確かめましょう。
基本的には、洗濯表示に従って洗濯をすれば、問題なく洗濯できます。
しかし、自分で洗う自信がない人やどうしてもちゃんと仕上げたいと思う人は、専門家であるクリーニング店に任せる方法もあります。
ウール製品は、水に弱い素材なので、自分で洗濯するときには水の温度や洗い方などに注意して行うようにしてください。
アイテム別のウールの自宅での洗濯方法
では実際に、ウール製品を自宅で洗う方法をご紹介していきます。
ウール製品は、選択できるものもありますが、一般的には手洗いが推奨されています。
ウールコートを手洗いする方法
用意するもの
- おしゃれ着用洗剤
- 大きめの桶または浴槽
- 洗濯ネット(大型)
ウールコートを手洗いする手順
- ウールコートの洗濯表示を確認します。
- 桶または浴槽にコートが浸かる程度のぬるま湯をはり、やさしく押し洗いします。
- おしゃれ着洗剤を入れやさしく押し洗いします。
- ぬるま湯を入れ替え、洗うときと同じように押しながらすすぎます。
- 脱水は、洗濯機で行うか、乾燥したタオルで挟んで水分を吸収するようにします。ウールは洗濯機で長時間脱水すると、縮む恐れがあるため、ネットに入れて30秒程度脱水してください。
- 脱水が完了したら、叩くようにして伸ばした後、日陰で平干しします。
ウールは、長時間脱水したり、他の衣類と一緒に選択すると、傷がついて縮むことがあるので注意が必要です。
また、きつく絞ると形が変形したり、フェルト状に固くなる可能性があるので、注意してください。
ウールマフラーを手洗いする方法
用意するもの
- おしゃれ着用洗剤
- 桶または洗面所
- 洗濯ネット
ウールマフラーを手洗いする手順
- ウールマフラーの洗濯表示を確認します。
- 桶または洗面所にマフラーが浸かる程度のぬるま湯をはり、やさしく押し洗いします。
- おしゃれ着洗剤を入れやさしく押し洗いします。
- ぬるま湯を入れ替え、洗うときと同じように押しながらすすぎます。
- 脱水は、洗濯機で行うか、乾燥したタオルで挟んで水分を吸収するようにします。ウールは洗濯機で長時間脱水すると、縮む恐れがあるため、ネットに入れて30秒程度脱水してください。
- 脱水が完了したら、叩くようにして伸ばした後、ハンガーを2つ使ってM字になるように日陰で平干しします。
ウールは、長時間脱水したり、他の衣類と一緒に選択すると、傷がついて縮むことがあるので注意が必要です。
また、きつく絞ると形が変形したり、フェルト状に固くなる可能性があるので、注意してください。
ウールニット・セーターを手洗いする方法
用意するもの
- おしゃれ着用洗剤
- 桶または洗面所
- 洗濯ネット
ウールニット・セーターを手洗いする手順
- ウールニット・セーターの洗濯表示を確認します。
- 桶または洗面所にマフラーが浸かる程度のぬるま湯をはり、やさしく押し洗いします。
- おしゃれ着洗剤を入れやさしく押し洗いします。
- ぬるま湯を入れ替え、洗うときと同じように押しながらすすぎます。
- 脱水は、洗濯機で行うか、乾燥したタオルで挟んで水分を吸収するようにします。ウールは洗濯機で長時間脱水すると、縮む恐れがあるため、ネットに入れて30秒程度脱水してください。
- 脱水が完了したら、叩くようにして伸ばした後日陰で平干しします。
- ハンガーにかけると重みで伸びてしまうので、ハンガーを3本使用することで、平らに干すことができます。
ウールは、長時間脱水したり、他の衣類と一緒に選択すると、傷がついて縮むことがあるので注意が必要です。
また、きつく絞ると形が変形したり、フェルト状に固くなる可能性があるので、注意してください。
ウールを長く愛用するためのお手入れ方法
ウール製品を長く使うにはお手入れが必要です。
丁寧にお手入れを行うことで、生地を傷めずに長持ちさせることができます。
ブラッシング
ウールの衣類や小物類は着脱時にチリやホコリなどの汚れがついてしまいます。
特にウールは毛玉になりやすい繊維をしているので、繊維に汚れが絡まったまま放置しておくと毛玉が増える原因にもなりますので、着脱時には、毛並みに沿ってやさしくブラッシングするようにしましょう。
ブラッシングに使用するブラシは、合成繊維のものだと静電気が発生しやすくなるため、傷みの原因になることもあります。
そのため、ブラッシングをするときには、天然繊維の柔らかいブラシを使用することをおすすめします。
ブラッシングの目的は、毛玉を取ることではなく、あくまでウールの毛並みを整えることです。
ブラッシングをするときには、ウールアイテムのデザインや形に沿って、力を入れすぎずやさしく行いましょう。
湿気や水分はしっかりとばす
ウールは撥水性はありますが、水分には弱いです。汗や湿気を含んだままにしていると傷んでしまったり、フェルトのようにゴワゴワになってしまいます。
ますは、汗が直接ウール製品につかないように着用しましょう。
また、ウール製品を脱いだ後はクローゼットにしまう前に、型崩れしないように注意しながら、ハンガーなどに干して水分や湿気を乾かすようにしてください。
ウールは、水分に弱いため、雨の日や雪の日は着用を避けるのがおすすめです。
もし急な天候の変化でウール製品に水分が付着した場合には、乾いたタオルで叩くように水分を取りましょう。
ゴシゴシと擦るのは、ウールの素材を傷める原因になるのでNGです。
毛玉のカット
ウール製品に毛玉がついてしまったときには、ハサミで切り取りましょう。
毛玉を引っ張って取ってしまうとウール製品を傷める原因になります。
また、毛玉をカットするときには、本体まで切り取ってしまわないように注意が必要です。
毛玉ができてしまったら。本体を傷つけないようにハサミで切りましょう。
自宅に毛玉取り機があるときは、それを使用するのもおすすめの方法です。
シミがついたら応急処置
ウール製品にシミがついてしまったときには、すぐに拭き取るようにしましょう。
薄めた洗剤を乾いたタオルにつけて、シミの部分を拭き取り、その後水分のついたタオルで洗剤を拭き取ります。
ウール専用のシミ抜き洗剤がある場合はそれを使用することをおすすめします。拭いた後は、しっかり乾燥させましょう。
ウールのシミは虫食いやカビの原因になります。ウールは虫食いしやすい素材でもあるので、汚れがついたときには、クリーニングに出すことをおすすめします。
家でできるのはあくまで応急処置までなので、シミが残ってしまった場合や、完全に汚れが落ちきっていないと思った場合はクリーニングへ持っていきましょう。
ウールは毎日着ない方がいい!
お気に入りのウール製品は毎日使いたくなりますが、ウールは1度使用したら1日~2日休ませてあげるのがおすすめです。
ウールは比較的型崩れしにくい素材と言われていますが、普段の生活で起こる摩擦や汗の吸収などを100%避けることはできません。
そのため、毎日着用し続けると形状が変化してしまう恐れがあります。
1日~2日休ませることで、ウール内にこもった湿気が発散され元の形状に戻ろうとします。
摩擦を受け続けることは毛玉の原因にもなるので、連続しての着用は控えましょう。
2着で使いまわすようにすればその分、負担を分散することができるのでおすすめです。
オフシーズンの保管方法に注意
冬場に活躍するウールはオフシーズンに入ったら、クリーニングに出すか自宅で洗濯して汚れを落としましょう。
汚れが繊維内に残ったまま保管しておくと虫食いの原因になります。
ウール製品をクリーンな状況に戻すイメージで、シーズン中の汚れや湿気を取り除きましょう。
保管しているときも、湿気から守る防湿材と虫害から守る防虫剤を一緒に入れておくことがおすすめです。
ウールの豆知識
国内でもさまざまな製品に使用されていますが、一体どこで生産されているのか知らない人も多いと思います。
そこで、ここからは、ウールの豆知識をご紹介していきます。
ウールの産地は?
ウール繊維のもとになる羊は、オーストラリア・ニュージーランド・フランスが産地として有名です。
他にもイギリスなどでも生産されています。
世界最大の産出国はオーストラリアです。ウールは羊の毛のことをいいますが、羊の種類は約3000種類あり、メリノ種が40%を占めています。
オーストラリアでも、生産量の約75%がメリノ種です。私たちが手にしているウールもメリノ種である可能性もあります。
ウールは世界で生産されている素材です。
ウールは刈り取る
羊の毛を収穫するときには、バリカンを使って刈り取ります。羊の毛が成長すると、バリカンで一気に刈り取ります。
カシミヤなどは、うぶ毛が原料になっているので、毛を梳く(すく)ことで収穫をしますが、ウールは毛を刈り取ります。
羊の毛刈りは、一般的に1年に1回で、1回で刈り取れる量は約3㎏から4㎏採れます。
ウールと同じく羊から採れるカシミヤに比べて、かなり多くの量が採れるので、価格もカシミヤに比べるとリーズナブルになっています。
ウールは生産地のブランドがある!
ウールの原材料は、繊維の細さによってランクがあります。
最高品質であると言われているのが、メリノウールです。
メリノウールは、他のウールに比べて、とても柔らかく光沢感が特徴的です。
メリノウールにも産地によってブランドが確立されています。
フランスで生産されているフランスメリノウールは、フランスの中でも限られた場所でしか生産されていないため、希少価値が高くなっているウールの一つです。
世界一の生産量を誇るオーストラリアメリノウールは、繊維が長く白さが目立つ種類です。非常に柔らかく、最高品質のウールと位置付けられています。
ニュージーランドで生産されている、ニュージーランドメリノウールは、生産量が少ないことから希少価値が高いもので、柔らかい触り心地が特徴です。
このように、ウールは繊維の細さによって品質が決まると同時に、どれくらい生産されているかによっても価値が変わってきます。
ウールの偽物に注意!
ウールの原材料は最高級品になると値段が高いので、市販されている衣類や小物にはウール以外の繊維が混ぜられている場合も多々あります。
暖かく、汚れにくいウールはマフラーやセーターとして購入する人も多いと思いますが、その素材表記は確認していますか?
ウール100%と書かれていても、他の毛が混ぜられていることがあります。
加工された羊の毛やヤクの毛は、見た目や触り心地では分からない場合が多いです。その場合には、偽物に気づくことができません。
本物のウールかどうか確認するには、専門の研究所で成分を分析するしか方法がないので、実際には確認することは難しいといえます。
本物のウール製品を見分けるには、素材表示を確認することはもちろん、あまりに安い値段のものは疑ってみることや正規の販売店で購入するなどの工夫が必要です。
ウールに似ている素材カシミヤ!根本的に違います
ウールに似ている素材にカシミヤがあります。カシミヤは聞いたことがある人も多いとは思いますが、ウールよりも高級な素材です。
では、ウールとカシミヤはどう違うか知っていますか?品質が違うだけで、同じものだと思っていませんか?
実は、根本的に違うものです。ウールもカシミヤも羊から採れる毛であることは同じです。しかし、ウールが大人の羊の毛からできているのに対して、カシミヤは羊のうぶ毛を原料としています。
そのため、カシミヤの方が繊維が細く、柔らかいことと、少量しか取れないことから希少価値が高いです。そのため、値段が高くなります。
逆にみなさんがカシミヤを購入するときに、あまりに安い場合には、違う素材が混ぜられている偽物の可能性があります。
しっかりウールとカシミヤが違うことを理解し、カシミヤは高級であるということを頭に入れておきましょう。
このように、同じ羊から品質の異なる素材が採れます。自分にあった値段と質の商品を選んで購入するとよいのではないでしょうか。
ウールのお手入れは丁寧に!
ウールは冬に活躍する優秀な素材ですが、お手入れには注意が必要です。
繊細な素材なので洗濯するときには十分注意して、手順をしっかりと把握しておきましょう。