洗濯に使う合成洗剤って何?石鹸やエコ洗剤との違いまとめ
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皆さんは洗濯のときってどんな洗剤を使っていますか?
テレビCMを観てなんとなく買った洗剤や、オーガニックにこだわって買った洗剤…
もしくは「洗剤自体使いません!」なんて人もいるかもしれませんね。
でも実は、一般的に毎日の洗濯で使われている洗剤のほとんどが「合成洗剤」なんです。
そんな合成洗剤ですが、普通の石鹸やエコ洗剤とはどのような違いがあるのでしょうか?
今回は合成洗剤と他の洗剤との違いについてまとめました。
記事の目次
合成洗剤ってどんなもの?特徴とは?
一般的な合成洗剤といえば、テレビのCMで頻繁に宣伝されている洗剤をまず思い浮かべてください。
薬局やスーパー、コンビニで手軽に手に入るのが合成洗剤です。
そんな合成洗剤とは、そもそもどんな洗剤なのかを見ていきましょう。
合成洗剤って何?
前述のとおり、合成洗剤は一番身近でポピュラーな洗剤といえます。
合成洗剤とは、簡単に言うと洗浄成分に合成界面活性剤を使っている洗剤のことです。
粉末状のものから液体状のものまで、その形状は様々。
合成界面活性剤のほかにも酵素や蛍光増白剤などの原料が配合されているのが特徴です。
以下のような洗剤が、日本で有名な合成洗剤の代表格です。
- LIONの「トップ」
- P&Gの「ボールド」
- 花王の「アタック」「ビーズ」
などで、液体洗剤も粉末洗剤もあります。
見分けるには?
品名を確認すれば、その洗剤がどんな種類かひと目でわかります。合成洗剤を見分けるには、品名を確認しましょう。
合成洗剤は品名が「洗濯用合成洗剤」となっています。
成分には界面活性剤と表記があるはずです。
一度、自宅にある洗剤を確認してみるのも良いかもしれません。
合成洗剤の歴史
第一次世界大戦中のヨーロッパ・ドイツでは石鹸の原料である油脂が少なくなり、石鹸の製造ができなくなりました。
そこで開発されたのが、合成洗剤です。
合成洗剤は石油を原料としているので、油脂がなくても問題なく製造できたのです。
その後第二次世界大戦後にアメリカの石油資本の生産が拡大し、アメリカやヨーロッパで合成洗剤が急速に普及していきました。
ちなみに日本では1937年に初めて合成洗剤が市販されましたが、1963年には合成洗剤の使用量が石鹸の使用量を上回ったそうです。
約25年で逆転してしまうとは驚きですが、合成洗剤にはそれだけの使いやすさがあります。
合成洗剤のメリットは?
今販売されている多くの洗濯洗剤は合成洗剤で、当たり前のように使用しているため気づきにくいですが、実は合成洗剤だからこそのメリットがあります。
水に溶けやすい
合成洗剤は水に溶けやすいので、溶け残った成分が衣類に付着する心配がほとんどありません。
衣類を白く洗い上げる
蛍光増白剤の含まれているものは、白い衣類の白さを保ってくれます。
手軽に買える
合成洗剤は薬局やスーパーやコンビニなど、手に入る場所が多いので、誰でも気軽に買うことができます。
合成洗剤のデメリットは?
逆に合成洗剤にはデメリットもありますが、完全なる”悪”というわけではないことを理解しておきましょう。
人体への影響が生じる場合がある
合成洗剤は使う人によっては、頭痛を引き起こしたり、肌荒れやアレルギーの原因になったりするケースもあります。
環境に良くない
合成洗剤は分解されにくいものが多いので、地球の環境への影響も懸念されています。
合成洗剤の歴史は、一般的な石鹸に比べるとまだ浅いです。合成洗剤を使い続けることによって環境や生き物にどのような影響が生じるのか、未だハッキリしていないのが事実。合成洗剤と使うときは、そういった点を踏まえた上で使うことも大切ですね。
どの洗剤が一番いいの?エコ洗剤や石鹸は?
合成洗剤がどんなものなのか、だいぶ分かってきましたよね。
「そんな化学物質だらけの合成洗剤よりも、エコ洗剤や石鹸を使ってみたい!」と思った人もいるのではないでしょうか。
でもどんな種類の洗剤にも、やはり良い点もあれば悪い点もあります。
エコ洗剤とは
出典:ひのきの森
最近よく耳にする「エコ洗剤」や「オーガニック洗剤」という言葉。
エコ洗剤と一言でいっても、石鹸と同じ成分でできた洗剤や、植物原材料からできた洗剤など、種類は様々です。
基本的には化学合成物質や石油系の物質を使わずに作られた洗剤のことを指すようですが、具体的な定義は無いようです。
中にはパッケージがリサイクル可能というだけで「エコ洗剤」を謳っている商品も存在するので、購入前にはしっかりと洗剤の成分表をチェックしましょう。
エコ洗剤のメリットは?
一般的なエコ洗剤のメリットとしては「自然由来のものから作られた洗剤である」という点があります。
化学物質を使っていないので、肌が弱い赤ちゃんや、アトピーの人でも安心して使えるのが嬉しいポイントですね。
また、自然由来の成分は水に還っても環境を汚染しません。
逆に使えば使うほど、洗濯機や排水口、川や池を綺麗にしてくれるという凄いエコ洗剤もあります。
デメリットを挙げるとしたら、やはり市販の合成洗剤よりは高価である、という点です。
またエコ洗剤には蛍光増白剤が含まれていないので、衣類を白くさっぱり洗い上げる力は合成洗剤よりも劣ります。
洗濯石鹸とは
出典:ウタマロ石けん
洗濯石鹸はエコ洗剤と同じように、天然由来の界面活性剤が主成分です。
主に天然油脂や脂肪酸を原料として作られています。
洗濯石鹸の凄いところは、汚れの洗浄力が抜群なところです!
石鹸って合成洗剤よりも汚れが落ちにくそうなイメージですが、実は全くの逆。
合成洗剤で洗って落ちなかった汚れも、石鹸で洗うと落ちるということも珍しくありません。
ただし洗濯石鹸を使うときは、石鹸カスに注意する必要があります。
洗濯槽に石鹸カスが残ってしまうと、雑菌やカビの原因となってしまうことがあるんです。
慣れるまでは使うときに少しコツが必要なことや、やはり合成洗剤に比べてコスパが悪いことが洗濯石鹸のデメリットですね。
一部のドラム式洗濯機などは、洗濯石鹸の使用がNGの場合があります。自宅の洗濯機の取扱説明書をしっかりと読んでから使うようにしましょう。
状況に合わせて使い分けがおすすめ!それぞれの良い点を活用しよう
今回は合成洗剤と他の洗剤の違いをご紹介しましたが、参考になりましたか?
洗濯用洗剤を選ぶときには、その成分や特徴をしっかりと把握してから買うことをおすすめします。
どの洗剤にもメリットとデメリットが存在します。
全てを兼ね揃えた万能の洗剤があればいいのですが、そんな凄いものはまだ存在していないのが現状。
洗いたい衣類の状況や自分の体質などと相談して、自分に合ったベストな洗濯洗剤を見つけてくださいね!