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服の色落ちはなぜ起こる?洗濯するときの注意点と起きたときの対処法

服の色落ちはなぜ起こる?洗濯するときの注意点と起きたときの対処法
宅配クリーニングはリナビス

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大切な服が色落ちして、くすんだ色になってしまったという経験はありませんか?

また、その色が一緒に洗濯していた他の衣類に移ってしまったという経験はありませんか?

せっかくの鮮やかな色が台無しになってしまう「色落ち」や「色移り」はなぜ起こるのでしょう。今回はそんな色落ちのメカニズムと、洗濯する際の注意点などをご紹介していきます。

記事の目次

服が色落ちする原因は?

色落ちは、主に洗濯機で洗濯する際に、染料が水に溶け出すことで起こります。

買ったばかりのTシャツやデニムを洗うと、洗濯機の水が染まっていることがありますよね。

何度か洗濯を繰り返すうちにほとんどの衣類は色落ちしなくなりますが、新品の衣類ほど色落ちしやすく、そして色落ちの度合いは生地の素材や洗剤、干し方によっても様々です。

もし、何度洗濯しても色落ちするような衣類があるときは、自宅での洗濯を一度中止して、クリーニング店に相談したほうがいいでしょう。

洗濯中の色落ち

洗濯中の色落ち

染料は水に浸けることで溶け出してしまうため、購入したての衣類の洗濯はとくに注意が必要です。

その中でも定番は、ブルージーンズの色落ち。

新品のジーパンを洗濯したらみるみる水の色が紺色になっていたというトラブルは、多くの人が経験していると思います。

薄い色の衣類でも色落ちは起こりますが、濃い色のほうが色落ちしていることがわかりやすくいため、ジーパンや、赤や青など鮮やかな色のTシャツほど色落ちしているというイメージがありますよね。

また、洗濯後の脱水も原因のひとつ。洗濯槽が勢いよく回転し、遠心力で水分を飛ばすときに色落ちします。

湿気による色落ち

湿気による色落ち

洗濯後、洗濯機に衣類を入れっぱなしにしておくと、その分水分を含んでいる時間が長くなるため色落ちしやすくなります。

洗濯したときに水に色がついていなくても安心せず、脱水後はすぐに干すことを心がけましょう。

着用による色落ち

濃い色のTシャツがワンシーズンでずいぶん色あせてしまったという経験はありませんか?

水への溶け出し以外でも、肌や衣類同士の摩擦でも色落ちは起こります。

また夏場など、肌の上に色の濃い服を直接着ると脇の部分が汗でシミになってしまうことがあります。

シミを落とすためのお手入れは、そのまま色落ちの原因になるので注意しましょう。

色落ちしやすい衣類一覧!

染料を多く含んでいる衣類はもちろん、素材によっても色落ちのしやすさが変わります。

色落ちを防ぐこと=色落ちしないアイテムを選ぶことでもあるので、色落ちしやすい衣類を覚えておくと便利です。

濃い色の衣類

濃い色の衣類

色落ちは、実は衣類の値段や生地自体の強度に関係なく起こります。

濃い色の衣類は薄い色の衣類に比べて染料を多く含んでいるため、より色落ちして見えてしまいます。

天然繊維の衣類

天然繊維の衣類

綿や麻、絹などの天然繊維は生地の風合いを大切にして作られているため、ポリエステルやナイロンなどの人工繊維に比べて染色堅牢度*が低く、色落ちしやすい衣類が多くあります。

(*染色堅牢度…染色堅牢度は着色された繊維製品のクリーニングや日光、摩擦などの作用による色落ちへの耐性を表します。)

中でも綿素材は色落ちする物と初めから考えておいたほうが無難です。

下着や靴下、Tシャツ、タオルと多くの衣類に使用されている素材なので洗濯の際は気をつけましょう。

色落ちしやすいもの、しにくいものの見分け方

衣類を購入するときに素材は気にしていないという人が多いですし、鮮やかな色の洋服をおしゃれに着こなしたいですよね。

そんなときは、洗濯前に色落ちするかどうかを確かめるのがおすすめです。

色によって色落ち「する」「しない」の差はある?

色によって色落ち「する」「しない」の差はある?

色によって色落ちしやすい、しにくいという区別はありません。

鮮やかな色だから色落ちが激しいということはなく、あくまで染料の堅牢度、生地の素材によって、色落ちの度合いは様々です。

ではどのように色落ちしやすいものを見極めれば良いのでしょうか?

色落ちを示す洗濯表示は無い

色落ちを示す洗濯表示は無い

洗濯表示は、日本工業規格が定めた素材ごとの取り扱い方法を示した表示です。

色落ちするしないに限らず、洗濯する際、干し方やアイロンのかけ方なども含め、衣類を取扱う際は基本的にこの表示に従いますが、そもそも色落ちは洗濯表示で示されていません。

そのためひと目で色落ちしやすいか見極めることは難しく、自分で色落ちテストをするか、それでも心配な場合はクリーニング店に相談するとより確実です。

色落ちテストの方法

色落ちテストの方法

色の濃い衣類を買ったら、洗濯する前にまず「色落ちテスト」をしましょう。

テストをおこなう衣類は単色のものがおすすめです。

複数の色が入っている衣類や柄物の衣類は、染料の堅牢度や色がついている部分の生地の素材でも色推しの仕方が変わってくるので、クリーニング店に相談しましょう。

手順

  1. 色移りしてもいい白い布を用意してください。手ごろな白い布がなければ、綿棒でも構いません。そこに直接洗剤をつけます。
  2. 洗剤をつけた布で、衣類の縫い目や裏側の目立たない部分をこするか、軽く叩きます。
  3. 布に色がついたら、洗濯するときに色落ちすると考えたほうがいいでしょう。うっすらとでも色がついたら単品で洗濯する、わりとはっきり色がついたという印象がある場合は、一度クリーニング店に持っていきましょう。

色落ちしやすくなるNGな洗い方

洗濯の仕方によっても色落ちしやすくなってしまう場合があります。

知らないうちにやっていることもあるので注意が必要です。

高い温度で洗濯する

高い温度で洗濯する

20℃より30℃、40℃と洗濯する際の水の温度が高いほど色落ちしやすくなります。

お風呂の残り湯などを使って洗濯する場合は注意してください。

洗浄力を高めるために高い温度で洗う必要がある衣類と、色落ちしやすい衣類は分けて洗濯しましょう。

アルカリ性の高い洗剤を使用する

アルカリ性の高い洗剤を使用する

洗剤のペーハー(ph)値によっても色落ちの度合いは大きく左右します。

皮脂や油、食べこぼしなど衣類につく汚れのほとんどは酸性のため、アルカリ性が強いほど汚れを中和し、洗浄力が高まります。

ただし洗浄力の高い洗剤はその分色落ちしやすくなるため、効果の穏やかな中性洗剤がおすすめです。

水量が少ない

水量が少ない

洗濯する際の水量が少ないほど色落ちしやすくなります。

ドラム式の洗濯機は節水タイプのものが多く、色落ちには注意しましょう。

洗濯時間が長い

洗濯時間が長い

洗濯や脱水の時間が長いほど衣類に水分を含んでいる時間が長く、また洗濯槽の回転による衣類の摩擦時間も激しくなり、色落ちしやすくなります。

色落ちを防ぎたい衣類は、できるだけ短時間で洗濯〜乾燥までを終わらせましょう。

洗濯物の量・洗濯ネットに注意

洗濯物の量・洗濯ネットに注意

一度に洗う洗濯物の量が多いと、その分色落ちしやすくなります。

また洗濯ネットに複数の衣類を入れると、その中で水流の動きが悪くなるので、色移りの原因にもなるので注意しましょう。

洗濯ネットは毛玉や傷みを防ぎますが、色落ちする衣類には不向きです。

紫外線に当てる

紫外線に当てる

実は天日干しすると、紫外線があたるため色落ちしやすくなります。

とはいえ、陰干しすると乾ききるまでの時間がかかり、こちらも色落ちの原因に。

そこで、裏返しにできるものは裏返しして干しましょう。

裏表のないタオルを色落ちさせたくない場合は、風通しの良い場所に陰干しすると良いでしょう。

色落ちを防止する洗い方

一度色落ちしてしまった衣類は完全に元に戻すことができないため、大切な衣類は色落ちさせないことを第一に考えましょう。洗濯の際の色落ちを防止するだけでも、大切な一着を長持ちさせることができます。

同じ色同士で洗濯する

同じ色同士で洗濯する

もっとも気を遣わず、しかも確実な方法です。ほとんど同じ色の衣類であれば、色落ちや色移りを気にする必要はありません。

人によっては衣類の色の好みが偏っていることも多いはず。同じ色や同系色ごとに分けて洗濯すると良いでしょう。

洗濯ネットを上手に使う

洗濯ネットを上手に使う

洗濯ネットには衣類の大きさにぴったりあったものを、ひとつだけ入れましょう。

こうすることで洗濯槽や他の衣類との摩擦を減らし、色落ちを抑制することができます。

衣類より洗濯ネットが大きいと摩擦が起こりやすくなり、また複数の衣類を一緒に入れてしまうと水流が悪くなり、色移りの原因になってしまうので注意しましょう。

さらにネットの目は細かいほうがおすすめ。脱水の際に染料の飛び散りをネットが受け止めてくれます。

弱水流モードで洗う

弱水流モードで洗う

通常よりも穏やかな水流で洗濯することで摩擦を減らし、その分色落ちを抑制する効果があります。

多めの水量で洗う

多めの水量で洗う

単独で洗う場合は話が別ですが、一度に複数の洗濯物を洗う場合は水量が多いほうが色移りを防げます。

一般的にドラム型の洗濯機は縦型の洗濯機に比べて節水機能が高いため、水量を調節してあげるだけで色落ちや色移りの軽減が期待できます。

塩や酢を使う

塩や酢を使う

塩にはマグネシウム・カルシウムが含まれ、染料を安定させる効果があると言われています。

塩を使用する際は洗剤の量をいつもの8割程度に減らすと良いでしょう。

また酢はクエン酸が含まれていて、こちらも染料を繊維に留める効果があると言われています。

ただ、塩や酢によって劇的に色落ちを防げるということはありません。

色落ちテストではっきりと色がついてしまった場合などは、あまり効果がないと考えておいたほうがいいでしょう。

手洗いする

手洗いする

色が濃いもので、なおかつはじめて洗濯する場合、色落ちが心配なときは手洗いもおすすめです。

手間はかかりますが、大切な一着を長持ちさせるため購入後数回、手洗いでどの程度色落ちするか確認してみてもいいでしょう。

覚えておきたい色落ちを防止する干し方

干し方を間違えると色落ちの原因にもなります。

大切な衣類を守るためにもしっかり覚えておきましょう。

洗濯後はすぐに干す

洗濯後はすぐに干す

水分を含んでいる時間が長いほど、その間に染料が溶け出してしまうと考えるくらいで構いません。

洗濯機が止まってもそのまま放置するのはNGです。

洗濯後はすぐに干すことを心がけましょう。

陰干しする

陰干しする

直射日光は色落ち・色あせの原因になります。

部屋干しにする場合は、なるべく風通しの良い場所を選びましょう。

裏返して干す

裏返して干す

直射日光を避けるために部屋干しすると、風通しが悪いため衣類の乾きが悪くなります。

水分を含んでいる時間も長くなってしまうため、色落ちの原因を作ってしまいます。

そこで裏返して天日干しするというのもひとつの方法です。

色落ちしやすくなることには変わりありませんが、Tシャツなど目立たない裏側なら・・・という衣類にはおすすめです。

色落ちしにくい洗剤を選ぼう!

洗剤によっても色落ちしやすいもの、しにくいものがあります。

洗濯洗剤は適材適所で使いこなすことで色落ちは怖くありません。

中性洗剤

中性洗剤

洗濯洗剤の多くは「弱アルカリ性」と「中性」の2タイプに分かれています。

衣服の汚れは酸性なので、弱アルカリ性の方が中性に比べて洗浄力が高めです。

ただし洗浄力の分だけ色落ちもしやすくなってしまうため、色落ちを抑えたい衣類には中性洗剤がおすすめです。

一般的に、粉末洗剤は弱アルカリ性の商品が多く、液体洗剤は中性洗剤が多く出回っています。

蛍光増白剤入りの洗剤を避ける

蛍光増白剤入りの洗剤を避ける

衣類を白く見せる「蛍光増白剤」が入っている洗剤は、色落ちの原因となってしまうためNGです。

色落ちテストをする際も、蛍光増白剤が入っていないものを使用しましょう。

デニム専用の洗剤を使う

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デニム専用洗剤は、蛍光増白剤や漂白剤、界面活性剤が含まれていないものが多く流通しています。

日本製のデニムメーカーが作っているものは、天然油脂とアルカリを主成分とした商品が多く安心して使用できます。

酸素系の漂白剤を使う

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酸素系漂白剤は、過炭酸ナトリウムや過酸化水素を成分とした漂白剤のことです。

塩素系の漂白剤に比べて効果が穏やかで、さらに漂白剤特有の臭いも少ないのが特徴です。

酸素系漂白剤にも「粉末タイプ」と「液体タイプ」があり、粉末タイプは水に溶かすことでアルカリ性になるため消臭力・漂白力が高く、つけ置き漂白により適しています。

液体タイプは洗浄力が穏やかなため、生地のダメージや色落ちの心配がある衣類は、粉末タイプに比べてこちらのほうが安心して使用できます。

知っておきたい色落ちのアレコレ!

他にも色落ちを防ぐ方法があります。

購入後ある程度色落ちさせる

買ったばかりのデニムは、いつになったら他の衣類と一緒に洗えるようになるのでしょう。

色落ちが心配だからといって、ずっと単独で洗濯し続けるのは合理的な方法とは言えません。

そこで発想を転換させ、最初に色落ちさせてしまうのもひとつの方法です。

もともと衣類の表面には繊維の中に留めておける以上の染料が含まれている場合があります。

もちろん色は多少薄くなりますが、他の衣類やバッグなどへの色移りを防止することを考えると、購入後にある程度色落ちさせてしまったほうが後々のトラブルを防げるかもしれません。

色落ちさせる方法

  1. 洗面器に40℃~50℃ぐらいのお湯を半分くらい張り、液体洗剤を溶かします。
  2. 衣類をしっかり浸け込み、洗面器の中でしっかりすすいでください。手への色移りが心配な場合は割り箸を使ってもいいでしょう。
  3. 1分ほどすすいだら5分放置し、お湯を捨てます。
  4. 洗濯機で1分程度脱水します。
  5. 洗面器に新しく常温の水を張り、衣類をしっかりすすいでから、10分程度放置します。
  6. 最後に洗濯機で1分脱水し、形を整えて陰干しします。

ここまで処理しておけば、色の濃いもの同士であれば、次からは一緒に洗濯してもまず問題ありません。

ただし、水温が高いとやはり色落ちしてしまう可能性があるので、水温は高くても30℃まで、さらに洗濯ネットに入れて洗いましょう。

何回単独で洗えば他のものと洗ってもいい?

何回単独で洗えば他のものと洗ってもいい?

最初に色落ちさせておくことで他の衣類への色移りの心配は軽減されますが、気になるようであればその後も2~3回、単独で洗濯しておくとより安心です。

ただし、色落ちの心配がなくなった後も濃い色の衣類は濃い色物同士、白い衣類は白い衣類同士で分けて洗濯しましょう。

他の衣類に色移りしてしまったら

他の衣類に色移りしてしまったら

ここまでやっても完全に色落ちしないとは限りません。

色落ちしてしまうだけでもショックなのに、一緒に洗濯した他の衣類に色移りしてしまったら一体どうすればいいのでしょうか。

意図的に色落ちさせた方法を思い出してください。

うっかり白い衣類に色が移ってしまった場合などは、水ですすぐ際に塩素系の漂白剤を使っても効果があります。

正しいお手入れで鮮やかな色を長く楽しむ

デザインもそうですが、色を気に入って買った服やアイテムが、色落ちしてしまったときの落ち込みは計り知れません。

そのため、色落ちテストや単独での洗濯などのひと手間がとても大切だということはわかってもらえたかと思います。

新しい服を買うときに「綺麗だけど色落ちが」と余計な心配をしなくていいように、まずは今持っているハードルの低そうな衣類のお手入れからはじめてみてはどうでしょう。

お気に入りの一着を自分でお手入れできるようになったら、おしゃれももっと楽しくなりますよ!

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監修者情報
生産管理部:宮田 智光

株式会社リナビス
生産管理部│宮田 智光


国家資格のクリーニング師の資格を保有し、24年間のキャリアで現在は年間80万点のクリーニングを対応。「全てにおせっかい」を心がけ、擦れて白化しているものがあれば色補正を行うなど、お客様に喜んでもらえるように真心こめて、お仕事をしています。また、クリーニングスタッフがおせっかいに注力できるようにサポートしています。お客様の衣類など少しでもキレイにしてお返ししたいという想いで、日々クリーニング品質を上げるためにクリーニング知識と技術の習得を行っております。

執筆者

せんたくのーと編集部では、クリーニングや洗濯に関連したお役立ち情報を発信しています。最新のクリーニング技術や洗濯のコツ、シミ抜きの方法、衣類ケアのポイントなど、役立つ情報を幅広くお届けしています。忙しい日常の中で、衣類を清潔に保つためのアイデアやプロのアドバイスで、読者様の生活をより快適にするお手伝いをします。

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