大切なカシミヤのアイテムの洗濯方法とお手入れ方法まとめ
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”カシミヤ”と聞くと高級なイメージがありませんか?
ニットやマフラーなどに使用されていて、冬に活躍する生地です。
今回はそんなカシミヤについての情報をまとめました!
記事の目次
カシミヤってどんな生地?何でできてる?
まずはカシミヤの基本情報からです。
カシミヤとは?
カシミヤはカシミヤ山羊(Capra Hircus Laniger)からとれる毛、またその毛を使用して作られる毛織物のことを指します。
毛質が細く柔らかいのが特徴で、他の毛織物と比べても軽い仕上がりになります。
カシミヤ山羊一頭からとることができるのはわずかマフラー1枚分程度で、セーターを1枚作るにはカシミヤ山羊2〜3頭分の毛が必要になるため、カシミヤは貴重で高級品として扱われます。
独特のぬめり感があるカシミヤは、その特有の光沢感から「繊維の宝石」と呼ばれることもあります。
市販されているカシミヤ繊維を使用した衣類が他の繊維が使用されたものよりも高値で販売されているのにはこういう理由があります。
カシミヤの用途
カシミヤセーター | カシミヤマフラー |
出典: L.L.Bean |
出典:BAYCREW’S |
カシミヤはコート、ニット、セーター、マフラー、手袋などの冬物に使用されます。
その保温性や素材の軽さを活かした衣類や小物類が多く、柔らかく暖かい生地に魅力を感じている人も多いのではないでしょうか?
冬には欠かせないアイテムとして1着は持っておきたいですが、お値段がちょっと気になるという方はマフラーなどの小物から使ってみるのがおすすめです。
比較的購入しやすいお値段の物も多いので、小物を使ってみてカシミヤの魅力にハマったらアウター類にも手を出してみても良いかもしれません。
価格の安すぎるカシミヤ製品は、カシミヤ以外の繊維素材が使用されていることもあるので注意が必要です。
カシミヤのメリット
- 軽い
- 保温性・保湿性に優れている
- 素材が柔らかく肌触りが良い
- 光沢感があり見た目も美しい
とにかく着心地の良さと暖かさが魅力です。
防寒対策をしようとすると、何枚も着込んでしまったり分厚いコートを着込んだりと衣類の重さを感じる人も多いのではないでしょうか?
カシミヤの衣類は軽くて暖かい良い所どりをしたものだと言えるでしょう。
カシミヤのデメリット
- 価格が高い
- 毛玉(ピリング)ができやすい
- お手入れが必要
- 水に弱い
カシミヤは高品質で貴重な素材であるため、衣類や小物類はどうしても値段が高くなります。
また、繊細な素材であるため毛玉ができやすくこまめなお手入れが必要です。
水に弱いので洗濯する際には、他の素材よりも注意が必要です。
カシミヤはクリーニングしないとダメ?家で洗濯できる?
カシミヤ製品の中には自宅で洗濯可能なものもあります。
洗う前には必ず洗濯表示(取扱い絵表示)を確認して、水洗いができるか、手洗いができるかを確かめましょう。
洗濯表示の意味はこちらから確認!
基本的には洗濯表示に従った方法がおすすめですが、自分で洗う自信が無い方や仕上がりに不安がある人はクリーニングに任せてプロに仕上げてもらうのがおすすめです。
また、洗濯機を使っての洗濯はカシミヤ繊維を傷める可能性があるため出来るだけ避けましょう。
アイテム別のカシミヤの自宅での洗濯方法
では実際にカシミヤを自宅で洗う方法を紹介していきます。
カシミヤを洗濯する時は基本的には手洗いで優しくすばやく仕上げるのがコツです。
カシミヤコートを手洗いする方法
用意するもの
- おしゃれ着用洗剤
- 柔軟剤
- 大きめの桶または浴槽
- 洗濯ネット(大型)
カシミヤコートを手洗いする手順
- カシミヤコートの洗濯表示を確認します。
- 桶または浴槽にコートが全て浸かる程度のぬるま湯をはり、優しく押し洗いします。コートなどの大きなものは浴槽を使うと洗濯しやすいのでおすすめです。
- おしゃれ着洗剤を入れ優しく押し洗いします。
- ぬるま湯を入れ替え洗う時と同じように押しながらすすぎます。
- 仕上げに柔軟剤を入れ、ぬるま湯にくぐらせるようにすすいでいきます。
- 脱水は洗濯機で行います。ネットにコートを入れて30秒程度脱水を行います。
- 脱水が完了したら、叩くようにコートを伸ばして平干しをします。
- ハンガーに掛けると重みでコートが伸びてしまうので、できるだけ平らにして干しましょう。
無理に水気を絞ったり、長時間脱水するとカシミヤコートにシワがついてしまうので注意しましょう。
カシミヤマフラーを手洗いする方法
用意するもの
- おしゃれ着用洗剤
- 柔軟剤
- 桶または洗面所
- 洗濯ネット
カシミヤマフラーを手洗いする手順
- カシミヤマフラーの洗濯表示を確認します。
- 桶または洗面所にマフラーが全て浸かる程度のぬるま湯をはり、優しく押し洗いします。
- おしゃれ着洗剤を入れ優しく押し洗いします。
- ぬるま湯を入れ替え洗う時と同じように押しながらすすぎます。
- 仕上げに柔軟剤を入れ、ぬるま湯にくぐらせるようにすすいでいきます。
- 脱水は洗濯機で行います。ネットにマフラーを入れて30秒程度脱水を行います。フリンジがついているマフラーは、ネットの網目に引っかからないようフリンジを中に折り込みましょう。
- 脱水が完了したら、ハンガーを2つ使ってM字になるように陰干します。
無理に水気を絞ったり、長時間脱水するとカシミヤマフラーにシワがついてしまうので注意しましょう。
カシミヤニット・セーターを手洗いする方法
用意するもの
- おしゃれ着用洗剤
- 柔軟剤
- 桶または洗面所
- 洗濯ネット
カシミヤニット・セーターを手洗いする手順
- カシミヤニット・セーターの洗濯表示を確認します。
- 桶または洗面所にニット・セーターが全て浸かる程度のぬるま湯をはり、優しく押し洗いします。
- おしゃれ着洗剤を入れ優しく押し洗いします。
- ぬるま湯を入れ替え洗う時と同じように押しながらすすぎます。
- 仕上げに柔軟剤を入れ、ぬるま湯にくぐらせるようにすすいでいきます。
- 脱水は洗濯機で行います。ネットにニット・セーターを入れて30秒程度脱水を行います。
- 脱水が完了したら、叩くようにコートを伸ばして平干しをします。ハンガーに掛けると重みで伸びてしまうので、ハンガーを3本使用すると平らに干すことができます。
無理に水気を絞ったり、長時間脱水するとカシミヤニット・セーターにシワがついてしまうので注意しましょう。
カシミヤを長く愛用するためのお手入れの方法
カシミヤ製品を長く使うにはお手入れが必要です。
丁寧にお手入れを行うことで、生地を傷めずに長持ちさせることができます。
ブラッシング
カシミヤの衣類や小物類は着脱時にチリやホコリなどの汚れがついてしまいます。
繊維に絡まるようについた汚れは、そのままにしておくと毛玉ができる原因に。
着脱後は、毛並みに沿って優しくブラッシングをしましょう。
この時合成繊維のブラシを使用すると静電気が発生しやすく傷みの原因になることもあるので、天然繊維の柔らかいブラシを使用することをおすすめします。
ブラッシングの目的は毛玉をとることではなく、あくまでカシミヤの毛並みを整えることです。ブラッシングをする時は、カシミヤアイテムのデザインや形に沿って優しく行いましょう。
湿気や水分はしっかりとばす
カシミヤは水に弱いため、汗や湿気を含んだままにしていると傷みやすくなります。
まずは汗が直接カシミヤ製品につかないように着用しましょう。
カシミヤ製品を脱いだ後はクローゼットなどに仕舞う前に、型崩れしないよう注意しながらハンガーなどに干して水分や湿気を乾かしておきましょう。
カシミヤは水分に弱いため、雨の日や雪の日の着用は避けるのがおすすめです。
もし急な天候変化でカシミヤ製品に水分が付着した場合は、乾いたタオルで叩くように雨の日や雪の日に水分がついてしまった場合は乾いたタオルで優しく叩くように拭いて水気をとりましょう。
ゴシゴシと擦るのはカシミヤの素材を傷める原因になるのでNGです。
毛玉のカット
カシミヤ製品に毛玉がついてしまった場合は、ハサミで切り取りましょう。
毛玉を引っ張ってとってしまうとカシミヤ製品を傷める原因になります。
また毛玉をカットする時には本体まで切り取ってしまわないよう注意しましょう。
毛玉ができてしまったら本体を傷つけないようにハサミで切り取りましょう。
自宅に毛玉取り機がある時はそれを使用するのもおすすめです。
シミがついたら応急処置
カシミヤ製品にシミがついてしまった時には、すぐに拭き取るようにしましょう。
薄めた洗剤を乾いたタオルにつけてシミの部分を拭き取り、その後水分のついたタオルで洗剤を拭き取ります。
カシミヤ専用のシミ抜き洗剤がある時はそれを使用するのがおすすめです。
拭いた後はしっかり乾かしておきましょう。
カシミヤのシミは虫食いやカビの原因になるので、汚れがついた時はクリーニングに出すのがおすすめです。
家でできるのはあくまで応急処置なので、シミが残ってしまった時や完全に汚れが落ちきっていないと感じた時はクリーニングに持っていきましょう。
カシミヤは毎日着ない方が良い!
お気に入りのカシミヤ製品は毎日使いたくなりますが、カシミヤは1度着用したら1日〜2日休ませてあげるのがおすすめです。
カシミヤは型崩れしにくい繊維ですが、普段の生活で起こる摩擦やニットの裾の伸びやマフラーが汗を吸収することは避けられず毎日連続して着用することで形状が変化してしまう恐れがあります。
1日〜2日休ませてあげることで、カシミヤ内にこもった湿気が発散され元の形状に戻ろうとします。
摩擦を受け続けることは毛玉の原因にもなるので連続しての着用は避けましょう。
オフシーズンの保管方法に注意
冬場に活躍するカシミヤはオフシーズンに入ったらクリーニングに出すか自宅で洗濯をして汚れを落としましょう。
汚れが繊維内に残ったまま保管しておくと虫食いの原因になります。
カシミヤ製品をクリーンな状態に戻すイメージで、シーズン中の汚れや湿気を取り除きましょう。
保管する時には、湿気をから守る防湿剤と虫害をから守る防虫剤を一緒に入れておくのがおすすめです。
カシミヤの豆知識
国内ではあちこちで販売されているカシミヤですが、一体どこで生産されているのか知らない人も多いですよね。
また近年問題になっている偽カシミヤに騙されない方法を紹介します。
カシミヤの産地は?
カシミヤ繊維の元となるカシミヤ山羊は中国、モンゴル、イラン、アフガニスタンなどの気温差が激しい山岳地帯に生息しています。
カシミヤ山羊の住む地域では、冬季の気温が氷点下30度程度にまで下がるため、厳しい寒さから見を守るため通常の毛の下に薄く細いうぶ毛を生やすことで身を守ります。
このうぶ毛がカシミヤ繊維として収穫されます。
カシミヤは刈りとるのではなく”梳く”(すく)
山羊や羊の毛を収穫するというと、バリカンを使って毛を刈りとるシーンを想像しませんか?
カシミヤは先程お伝えしたようにカシミヤ山羊の”うぶ毛”が原料になっているため、非常に細くて柔らかく繊細なためバリカンで刈りとることができません。
そのため、毛を梳く(すく)ようにして収穫を行います。
熊手のような櫛にも似た道具を使用してカシミヤ山羊を撫でるように優しく梳く(すく)ことで、カシミヤの元となるうぶ毛を収穫します。
カシミヤにはランクがある!
カシミヤの原毛は長細く白いものが良いとされていて、長さと細さと白さによってランクが決まります。
ランクが存在は 繊維長(繊維の長さ)、繊度(繊維の直径/細さ)、異物混入率の3つを軸に以下のように判断されます。
毛が細ければきめ細やかで柔らかい生地になる、繊維が長いほどほつれにくく高品質な生地になる、白い原毛は脱水の必要がないため染色しやすいということで、条件が揃ったカシミヤは原料市場での評価も高く、重宝されます。
カシミヤの偽物に注意!
カシミヤの原毛は貴重なため、市販されている衣類や小物にはカシミヤ以外の繊維が混ぜられていることが多々あります。
暖かくて軽い、しかも高品質というカシミヤはマフラーやセーターとして購入する人も多いのですが、その素材表記は確認していますか?
カシミヤ100%と表記されているものでも他の毛が混ぜられていることがあります。
加工された羊の毛やヤクの毛は見た目や触り心地だけではカシミヤとの区別がつかないこともあり、偽装に気づかない可能性もあります。
現在、本物のカシミヤを見分ける方法としては専門の研究所で調べることしかなく、私達が市販のカシミヤ商品を見分けるのは難しいと言えるでしょう。
本物のカシミヤを見分けるには、素材表記を確認することはもちろん、信頼できる販売元から購入することをおすすめします。
パシュミナとカシミヤの違いは?
カシミヤの商品を購入する時に注意したいのがパシュミナです。
パシュミナはカシミヤ山羊からとれる毛の中でも最上級の細さと品質を誇るものとされていて市場に出回ることは滅多にありません。
しかし国内では明確な定義が定められず「パシュミナ」という言葉が独り歩きし、パシュミナストール、パシュミナマフラーといった商品が販売されていることがあります。
こういった商品は多くの場合、ウールや羊毛が使用されていることが多く、カシミヤですらありません。
高級そう、品質が良さそうといったイメージだけが先行して購入してしまう人がいますが、カシミヤと同様パシュミナも手触りや見た目だけで本物かどうか判断するのは難しいので、パシュミナは基本的には手に入れることができない、できたとしてもかなり高額であるということを理解しておきましょう。
パシュミナは素材表記に記載されないことが多いので、購入したい場合は信頼できる販売元からということを覚えておいてください。
長持ちの秘訣はカシミヤのお手入れ方法を覚えること!
カシミヤの基本情報とお手入れ方法をまとめました。
大切なカシミヤを長く着るにはお手入れ方法を覚えて、着た後には一工夫することが大切です。